よくある話ですが、ベースが抜けない。
埋もれて音が聴こえない。
これは単純に、音量が小さいとかではありません。
3つの原因が考えられます。
- ピッキングが弱い
- ギターが被る
- 位相が反転している
よく、機材(足元)の性能がイマイチで、このプリアンプは埋もれる!みたいにレビューする人がいますが、何かおかしいと思いませんか?
こんなに音が出てるのに、なぜ埋もれる??
ピッキングが弱い
埋もれやすい音は、基音がしっかり鳴ってない音です。倍音の出過ぎで音程が濁ります。
これをカバーするために、プリアンプを使ったり、コンプを使ったりする人が多いわけなのですが、逆に倍音が増えます。
歪ませるとベースが聴こえなくなる! - SNSでは語られないベースの話
一般的なロックとかポップスみたいなジャンルは、そこまで歪んでないです。ベースはアンプ直でツマミはフラットでも、十分に通用する音が出せます。
指弾きの人に多いのですが、弦を撫でる様に鳴らすと「基音が鳴ってない音」になりやすいです。
弦をしっかり鳴らす。
しかし、速い曲でもしっかり弦を鳴らすことって難しいです。どうしても速くなると撫でる弾き方になってしまいます。私も未熟なので出来ません。
そこでオススメなのが、ピック弾きです。
ピック弾き
ベースが埋もれやすい大音量のジャンル。
ロック系だったり、楽器が多いバンドでは、ピック弾きは相性が良いです。
埋もれにくくなります。
ピック弾きは基音がしっかり鳴ります。
輪郭がハッキリ出ます。
指弾きではモヤモヤしたり、ペケペケした音が、芯のあるハッキリした音で鳴らせます。
しかも、ピックの種類を変えれば色々な音が出せます。指弾きに近い、丸い音も素材によっては出せます。
私自身も、半年前から指弾きを改めて、ピック弾きにフォームを変えることにしました。
最初はムスタングベースを鳴らすことが目的でしたが、今はピック弾き8割になりました。
ギターが被る
次は本題です。
実は、ベースが抜けないのは帯域被りである可能性が高いです。
よく考えてみてください。
- ベース単体では、めちゃくちゃ聴こえる
- 大きな音が出ている
それなのに、なぜベースが埋もれるのか?
原因は、他の楽器がベースの音をマスキングしています。
特に同じ弦楽器のギターです。ギターがローをめちゃくちゃ出してるみたいなケースでは、ベースと帯域が被ってマスキングしてしまいます。
それから、楽器の多いバンドです。
ギターが2人いたり、キーボードもいたりみたいな大所帯のバンドは、ベースが得意な音域に他の楽器が被さってしまう。
これがベースが埋もれて聴こえない原因です。
低い音は遅い
音速自体は、音程(周波数)が変わってもスピードは変わりません。
ただ、高い音は速く、低い音は遅く聴こえるという伝達速度の差が生まれます。
音域の高いギターの音が先に聴こえて、遅れてベースの低音が聴こえる。そうすると人の耳にはベースの音が聴き取りにくくなるのです。
ベースが前ノリ、ギターやドラムが後ノリのバンドでベースがハッキリ聴こえるのは、これが理由です。
位相が反転している
これはギターとベースの位相が逆になってる場合に、音が打ち消し合ってマスキングしてしまう現象です。
特に歪み系のエフェクターに、逆相になる物がありますから、音が抜けない時は使うのを止めるだけで解決したりします。
「単体だと音が良いのに、バンドに入ると抜けないな?」という場合、エフェクターに原因があるかもしれません。
例えばギタリストさんは必ず歪みを使用すると思います。歪みは逆相になる物が多いため、ベースが正相のエフェクターを使うと、ベースが埋もれます(低音の方がマスキングされる)。
ちなみに私のバンドは、ギタリストさんはマルチエフェクターを使用しています。マルチは正相なので、ベースが埋もれません。
とても難しい問題なので、ベースが埋もれる時にはギタリストさんにも原因があると考えてみてください。
PAさんに任せよう
ただ、なかなか「ギター下げて」「ローをカットしてください」「ドラム下げて」みたいに言えないですよね?
バンド活動やライブ活動を経験して行けば、ギタリストさんも、だんだんと「もしかしてローを出し過ぎて、ベースをマスキングしていないか?」と気づく様になります。
ライブでは、PAさんがしっかり調整してくれますから大丈夫でしょう。ライブを経験することで、自分が出すべき音が分かる様になります。
間違っても、対抗してベースを爆音で鳴らすとか、ローをブーストしてはダメです。
楽器が張り合う様に爆音で、ボーカルが聴こえないバンドもアマチュアあるあるなのです。