バンドに入った時に、ベースが聴こえない現象。
- 埋もれる
- 抜けない
と表現される現象ですが、これは…
基音がしっかり出ていない!
ことが原因ではないかと考えています。
基音とは?
例えば…ベースの4弦の開放Eは、41.2Hzが基音となります。82.4Hzや123.6Hzは、倍音。それぞれ、2倍音、3倍音と呼びます。
何が問題か?
Eを鳴らした時に基音がしっかり鳴らずに、2倍音(82.4Hz)が多い場合…
82.4Hzはギターの開放Eの基音です。
つまり、ギターの音に埋もれます!
3倍音の出過ぎ
次に3倍音がしっかり出て目立ってしまう場合…3倍音123.6Hzは、Bの音となります。
つまり、Eなのか?Bなのか?
どっちか聴き取れない!
ベースが何を弾いてるか分からない。
音程がボヤつくことになります。
歪みが倍音を強調する!
あまりに歪ませすぎると、大切な基音より強調された倍音が出ることになります。
つまり、ベースを歪ませるとギターの音域と被ります。
ギターか?ベースか?区別つかないようになります。ギターにマスキングされます。埋もれます。
最近のJ-POP
最近の…というのが、おっさんなんですが、洋楽と違って日本の音楽は、ベースが歪んでますよね。海外のベーシストは足元がシンプルなことからも、音作りが根本的に違います。
ですから、歪ませたらダメだという意味ではありません。歪ませると埋もれやすくなるという話です。
弾いてみたは例外
以前にも書きましたが、弾いてみた用の音作りと、バンド用の音作りは違います。
バンドと弾いてみたは、音作りが違います。 - SNSに書けないベース戯言集
ガンガンに歪ませて、めちゃくちゃカッコ良いベースの音作りをした場合…ベース単体なら問題ありません。バンドの場合には埋もれてしまいます。ギターにマスキングされます。ほどほどに。
アマチュアの演奏環境
プロが出演するようなステージと、アマチュアは環境が全く違います。
楽器の音作りも、アマチュアとプロでは違うと考えています。
私は元々ドラマーで、3桁以上はライブ経験があります。しかし、お客さんが50人も入れるかな?みたいな小さなお店が大半です。学校の教室くらいの大きさですね。
理由は、私たちでは何百人もお客さんを呼べないからです。集客できません。
お店が小さいから、ステージ上の音がそのまま客席に届きます。
狭いステージ
アマチュアバンドがライブをする会場は、小さいお店で、ステージも狭い場所がほとんどとなります。
そういった環境では…
- ステージがぎゅう詰めに狭い
- アンプの音が客席まで届く
- ロー(倍音)が回る
こんな状況になります。
大きなエフェクターボードは邪魔になり、輪郭のあるメリハリをつけたベースが映える環境となります。こだわって作った音よりも、アンプ直結ピック弾きの方が、良い感じになる場合がほとんどです。
歪みは控えめに
どうしても楽曲的に歪んでいた方が良いジャンルの場合、控えめに歪ませることも有りです。
GAINを半分くらいを限度に、ブレンドのあるエフェクターの場合も半々くらいを限度にします。
よく聴いたらオーバードライブしている?これくらいがベースも聴こえて良い感じになります。
まとめ
以上ですが、歪ませると確かにカッコ良いです。また、ピッキングのアラが目立ちにくくなる利点もあります。
ただ歪ませると、ベースは基音が分かりにくくなる。原因は3倍音が目立つからでは?と考えます。これがベースが抜けない理由でしょう。
特にアマチュアバンドの様に、メンバーが未熟な上に、狭いステージで演奏する場合には埋もれやすいです。特にギターが2人以上いるバンドは、ベースを歪ませると埋もれやすいです。
もちろん、埋もれたらダメと言うわけじゃありません。音楽は全部正解です。