楽器原価のカラクリ

今回は、弦楽器のコストについて紹介します。

 

ギターやベースの原価

楽器の材料費をご存知でしょうか?

2000円から5万円くらいです。

ハイエンドでも、10万円程度がMAXです。

あまり差がないことに驚きませんか?

 

例えば6万円のスクワイヤーと、70万円のカスタムショップ。10万円以内の差しかないのです(※原価)

 

そうなんです。ハイエンド楽器は物としての値段ではなく、人件費や手間、ブランドなどの生産するコストの塊です。

 

フェンダーみたいな大企業は大量に材料を調達して保管が出来ます。そのため、仕入れ値が安くなります。薄利多売の原理です。

 

逆に小さな工房は、材料の仕入れにお金が掛かってしまいます。

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※画像は個人で購入した場合の値段です。

 

次に、材料費以外の要素

  1. 生産コスト
  2. 人件費
  3. 楽器屋の利益

などについて書きます。

 

生産コスト

具体的な値段は分からないのですが、自社工場で大量生産できるメーカーの方が安上がりになるのは、理解していただけると思います。フェンダーヤマハなどです。

 

また今は自動化が進んでいます。その一方で、手作業で作っているメーカーもあります。当然、手作業は効率が悪く、値段が割高になってしまいます。

 

そして、手作りが必ずしも良いとは限らないのが、楽器の難しい部分です。個体差が少ないのは、生産管理が行き届いた大量生産品です。

 

人件費

少し古いデータですが、ご覧ください。

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アメリカ製が高く、日本製やメキシコ製の楽器が安く作れる理由が人件費の差です。

 

アメリカは日本の倍くらい、メキシコの4倍くらい人件費が高くなります。実際、楽器価格の差もそれくらいの割合になっております。

 

インドネシア製が安い理由も人件費です。

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これも古いデータで申し訳ありません。
月給が日本円換算で、約4万3000円です。

 

インドネシアの生産者は素晴らしい技術を持っているのに賃金が安いため、楽器のコスパが素晴らしい物となるカラクリです。

 

これは個人的な感想ですが、フェンダーの楽器を所有してみて品質が良いと感じた順位は以下の通りです。

 

1 日本製フェンダー

2 USA製アメプロ

2 スクワイヤークラシックバイブ

3 メキシコ製フェンダー

 

日本製は圧倒的に品質が抜き出ています。特筆すべきは、アメプロとクラシックバイブはほぼ互角の品質でした。スクワイヤーの方がネック周りが丁寧に仕上げられています。メキシコ製はバリだらけです。

 

楽器屋の利益

次に、楽器販売店の利益率です。

となっています。

 

例えば売り上げ10万円の楽器を売った場合…フェンダー2万円、その他3〜5万円の利益となります。

 

こういったカラクリもあり、お値段が高い理由には様々な上乗せがあります。

 

ハイエンド工房みたいな、材料の仕入れコストがあまり良くなく、更に手作業で時間を掛けて作る楽器は割高になってしまいます。予想外な生産費が掛かってしまうのです。

 

こう考えていくと、フェンダーみたいな大企業の大量生産楽器はコスパが良いことになります。

 

日本製フェンダーなんて、コスパ最高ですからね。

 

更にインドネシア製のスクワイヤーは、コスパがバグった楽器となります。たぶん、(日本の)楽器屋さんは利益が無い(笑)だから置かない。

 

フジゲン

忘れてはならないのが、フジゲンの存在です。

かつてフェンダージャパンを作っていたメーカーで、楽器製造のノウハウをめちゃくちゃ持っている企業です。

 

実際、フジゲン製の楽器は品質が抜群です。いわゆるハズレがありません。

 

しかも、お値段が安い!

ブランドにこだわらない、良い楽器が欲しい方には一番オススメなブランドです。

 

個人的感想

ここからは、“私の場合”の主観ですので、ご理解ください。

 

私自身は、弦楽器の音色は90%が出力側じゃないか?と考えています。ベースやギター本体じゃなく、アンプやPAさんが90%じゃないかと。残りは演奏する自分自身。楽器本体は利酒みたいに、聴いても分からない。特にお客様には分からないレベル。

 

だから、楽器本体に求めているは…

  1. 弾きやすいこと
  2. 持ち運びやすい
  3. 丈夫で交換部品があること
  4. すぐ買い替えられる値段
  5. リラックスして弾ける

つまり、道具です。

 

 

まとめ

高い楽器と安い楽器。どちらが優秀かじゃなく、用途次第だと思います。所詮、道具ですから使う人の目的で良さも変わってしまいます。

 

また、今は楽器をする人が減少傾向。高齢化社会少子化ですから減って当たり前です。

 

ですから、値段が高い楽器を購入することは、楽器産業に投資することに繋がります。楽器の世界が発展すれば、自分たちの音楽活動も潤ってくるわけですから。

 

だから、投資だと考えています。