今回は、バイオリンベース(実用編)です。

1)ビートルズベース
バイオリンベースのイメージを尋ねると大多数の方が…
「ビートルズのベース」
と答えるのではないでしょうか?
一般的な認識はそうじゃないかと思います。

それくらい個性のある楽器です。
実際にビートルズ及び、ポップなロックバンドで使用すると、唯一無二にハマるのがバイオリンベースです。
もしビートルズや、同じく60年代から70年代の歌謡曲だったり、演歌を演奏するならば…
そのままで完璧!
- フラットワウンド弦を張る
- フロントピックアップを使用する
- ピック弾き
この3つで、それらしくなります。
じゃあ、他のジャンルは?
結論から言えば使えます。
ただし…
- スラップ奏法
- 歪ませる音作り
この二つには厳しいと思います。
今回は、欲張って何でも演奏したい人。
ちょっと邪道な使い方。
これらについて検証してみます。
2)バイオリンベースの特徴
まずはバイオリンベースの個性、クセを理解することから始めます。
まず、ボディ内部が空洞になっています。

まさに、バイオリンと同じ構造です。
このことから、まるでアコギを弾いているみたいな演奏性となります。アコギ、ウクレレ、マンドリンみたいな感じです。アコベに近いかな?
そのため「ハウリング」が起きやすくなります。フルアコのエレキギターと同じですね。歪ませたり、アンプに近づいて鳴らすとハウリングします。そして、ショートスケールゆえの特徴もあります。
つまり…
- ハウリング対策
- ショートスケール対策
この二つをすれば使いこなせます!
3)ハウリング対策
先ほども触れたように、中空構造であるために「ハウリング」が起きやすい傾向にあります。
これの予防策ですが…
- アンプの方を振り向かない
- 空洞に詰め物をする
などがあります。
他にも「アンプを使わない」。
つまりライン直みたいな方法もありますが、今回はアマチュアベーシストがバンド活動でスタジオや、小規模ライブ会場で鳴らす場合を想定します。
ということで、「詰め物」について紹介します。
4)スポンジを詰める
これはフルアコのギターを使う人にも、定番となる対策でスポンジを中に入れる方法があります。

ボディの共振をミュートするわけです。
実際、ビートルズバンドのドラマーをしていた時も、相方のベーシストさんで詰め物をしていた人が何人かいました。「タオルを入れてる」って言ってた人もいます。
上の画像の様に、ボディ内にスポンジを入れます。今回使用したスポンジはこちらです。

100均で購入した洗車用スポンジ。
これを今回は5つ使用しました。
5)効果
スポンジを詰めたことで、ハウリングしにくくなりました。アンプ側を向いたくらいでは大丈夫です。
また、音がタイトになって輪郭が出ました。いわゆるソリッドボディのベースに近くなりました。
逆に詰め物をすることで「バイオリンベースらしさ」は2割引きくらいになってしまいます。しかし、ビートルズバンドをされない方には、むしろ扱いやすくなりメリットの方が多い対策だと思います。
6)ショートスケール対策
ショートスケールの特徴については、ほとんどムスタングベースと同じです。
ムスタングベースを良い音で鳴らすコツ - ムスタングベース友の会!
世間で語られる「ローが出ない」は誤解です。
低域がめちゃくちゃ出ます。
代わりに高域が出ません。硬い音が苦手となるため、モヤモヤした音色になります。バイオリンベースの場合は、ポンポンといった音色になります。初期のビートルズを聴いてみてください。
しかしバイオリンベースは、リアピックアップがあるため、工夫すればムスタングベースよりタイトな音が出せます。
7)リアピックアップを使用する
ポール・マッカートニーは、フロントピックアップだけを使用しています。
じゃあ逆に、リアピックアップをメインで使うとどうなるのか?
タイトな音色、高域が出せるようになります。
これが攻略法となります。
8)私のセッティング
スイッチは…
- SOLO
- TREBLE(リア)ON
- BASS(フロント)ON
にします。

「SOLO 」というのは、いわゆるブースト。
というか恐らく「RHYTHM」の方が中にコンデンサーが入っていてカットされてるんじゃないかな?と思います。
ボリュームは…
TREBLEを10
BASSを2
くらいで、リアメインで使用します。
バラードなどの場合には…
TREBLEを2
BASSを10
とバランスを逆にします。
古い歌謡曲をやる場合には…
TREBLEを0
BASSを10
いわゆるビートルズのセッティングにします。
9)音作り
マルチエフェクターをこの様にしています。

ZNRで楽器本体のノイズをカットします。

歪ませないため、 THRSHを35、Decayは0にします。歪みを使う場合には、THRSHを10、Decayは30にセットしています。これを間違えると、不自然に音が切れてしまいますから気をつけてください。
最初にイコライザーです。

低域をカットして、800Hz以上をブーストします。
コンプはブラックオプトを使います。

しっかり掛けていますが、好みで設定してください。オンオフで音量が変わらないことが、ハウリングしないポイントです。
ダークグラスを味付けに使用します。
オーバードライブなのに、歪ませません。

GAINを上げない、歪ませないのがポイントです。
最後はプリアンプです。

800とTrebleを少し上げます。
GAINを上げないのがポイントです。
10)まとめ
バイオリンベースは個性的な楽器ではありますが、工夫することで割と幅広いジャンルで使える様になります。
ただし、ホロウボディであるためハウリング対策が必要となります。アンプで大音量を出す人は、いさぎよく歪ませないのがポイントです。
もしショートスケールのベースで…
- 歪ませたい
- 指弾きやスラップしたい
そういった方にはムスタングベースをオススメします。
バイオリンベースは制約はありますが、魅力のある楽器です。
何よりも軽い!

いいですよ!