今回は、「バンドメンバー募集」についてです。
これを抑えたら、メンバーが見つからなくて困ることも、マッチングミスで加入脱退を繰り返すことも防げるのではないでしょうか?
1)募集内容が明確であること
一番大切なのは、条件と目的を明確に書くことです。
募集するメンバーの条件、バンドの方向性、活動方針などです。一番良いのは後でも書きますが、ライブや練習の動画を公開することでしょう。
演奏動画を見ていただければ、レベルの差や、ノリの違うメンバーさんが来てしまうなど…マッチングミスをかなり防げるはずです。
2)失敗する例
たとえば良くある失敗例。
「メンバーを募集します!年齢性別問わず。選曲はメンバーが揃ってから決めましょう!方向性、練習日もメンバー揃ってから考えましょう!」
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ほぼ間違いなく失敗します。
全く演奏レベルや相性の合わない人が参加したり、バンド活動に求める目的が合わなくて、空中分解する可能性が大きいです。
では、何を書いたら良いのか?
- ジャンルと演奏する曲
- メンバーの年齢、募集する年齢
- スタジオに入る頻度、曜日・時間
- ライブ活動の頻度
- 演奏動画でバンドのレベルや雰囲気を伝える
この5点です。
1から3は、ほとんどのメン募記事でクリア出来ています(※時々、これさえも無い募集を見ます)
…しかし、大半の募集には4と5がありません。
ライブ活動の頻度と、演奏動画です。
ここが盲点となります。
バンドのマッチングは、音楽性よりも「方向性」。何を目指すのか?が全てです。
「毎月ライブしています。動画を見てください!」百聞は一見にしかずですね。
3)ライブ活動の頻度
これは温度差が出てしまう大切な項目です。
- 毎月ライブ活動するバンド
- 無理なく年に1度ライブするバンド
- ライブ活動は一切しない方針
この三つは、全く別物の活動となります。
最近では「ライブ活動をしない方針のバンド」も増えています。ライブのプレッシャー、チケットノルマなどを考えたくない。気楽に、のんびりやりたい人たちです。
いわゆるセッションを、固定メンバーで楽しむサークルですね。スタジオで音を出して楽しむグループです。
また、コロナ禍を経てオンラインで活動する新しいバンド形態も見られます。YouTubeなどに動画を上げるスタイルです。
…かと思えば、毎月の様にライブ出演しているアマチュアバンドもあります。
バンド活動とひとことに言っても、温度差がめちゃくちゃ違います。誤解を生まないためにも、ハッキリさせましょう。
- ライブ活動のために、リハーサルを積み重ねるバンドなのか?
- 仲間うちでセッションを楽しむための募集なのか?
この違いは大きいです。
ここで温度差にズレが生じて、メンバー脱退することが大半じゃないでしょうか?
絶対に明確にしておいた方が間違いありません。
4)演奏動画で伝える
百聞は一見にしかずの通り、スタジオ練習の様子で構わないので動画、もしくは音源を公開した方がマッチングミスを防げます。
いざスタジオに入ってみたら、イメージしていたのと違った!?→脱退→メンバー募集→脱退を繰り返しているバンドさんは、たぶん上の二つが曖昧になっている場合がほとんどです。
5)セッションで知り合う
私自身の経験になりますが、「セッション」「オープンマイク」などで知り合ったメンバーとバンドを組むと、めちゃくちゃ上手くいきます。
当たり前なのですが、メンバーのタイプや演奏技術のレベル、そして音楽的志向が一致するわけです。
やはりネットの文字だけで判断するのには限界があります。可能な限り、明確に伝わるように書くこと。映像や音源を聴いてもらうこと。方向性について濁さずに明確にお伝えすること。
これをしてから、バンドメンバーを招いた方が間違いありません。
6)ジャンル
バンドのジャンルによっても、メンバーの獲得率に差が出ます。
オリジナルバンドとカバーでは、カバーの方が有利となります。理由は簡単で、オリジナルで「このバンドに参加したい!」と思わせる楽曲を作れることは稀だからです。
逆にメンバーを集めやすいのは、ギターが主役で難易度もやさしい定番ロックバンドです。誰もが知っている楽曲のカバーですね。
他には…
- 無理なく歌える
- 楽器が少なくても再現できる
ジャンルです。
ボーカルさんの声が出ないのは、致命的となります。あまりに歌唱力が要求されるジャンルは避けた方が間違いありません。
また、キーボードがいないと再現できないジャンルも避けましょう。なぜならば、メンバー募集で一番見つからないのはキーボードだからです。
7)年齢や職業
もし可能であれば、年齢が近い方が失敗しにくいです。
たまに親子くらい年齢が離れていても上手くいっているバンドも見かけますが、稀だと思います。年齢差は10歳以内が間違いないでしょう。
また職業も、あまりに掛け離れると合わない可能性もあります。
- 社長とフリーターバンド
- 警察官とヤクザバンド
- 富裕層専業主婦とシンママバンド
面白いけど、合わないかな?
生活レベルが掛け離れた人同士が仲良く…無理ではないですが、必ず葛藤は生じますね。
例えば、毎週土日休みのメンバーと、平日しか休めない職業のメンバーが集まるとスタジオ予定が組めません。
それから収入の差がありすぎても、価値観が合わずに破綻してしまいます。
それから練習後に毎回飲み会をするバンドは、ちゃんと書いた方がトラブルを防げます。私自身は飲み会大歓迎派ですが、中には飲み会を負担に感じるメンバーさんもいます。
もう一つ、30代〜40代前半は経験上メンバーが集まりにくいです。
理由は仕事が忙しかったり、結婚したり子供が小さかったりで、バンド活動に時間を掛けられない現実があります。
…というか、今の若い人たちはバンド活動しません。これは地方になると顕著に現れて、スタジオ行っても50歳以上の人たちで溢れかえってます。
8)良い例
それでは、良いバンドメンバー募集例です。
【J-POPセッションサークル】
女性ボーカル90年代J-POPを楽しむサークルです。
メンバーは40代50代の会社員。
同年代のメンバーを募集しています。
練習は毎月第三土曜日の夜に、〇〇スタジオ。
練習終了後は飲み会あり。
スタジオのみで、ライブ活動は考えていません。
ゆるく音を出して、練習後のお酒を楽しめるメンバーさんを募集します。
【プロ志向オリジナルバンド】
メジャーデビューを目指す大学生です。
プロを目指す〇〇さんを募集しています。
毎週土日に市内のスタジオ、毎月3回くらいライブしています。
メンバーは全員学校は違いますが、市内在住です。上級レベルのプロを目指す同年代を募集します。
楽曲は、YouTubeチャンネルをご覧ください。
【親父ロックバンド】
70年代の洋楽をカバーする親父バンドです。
メンバーは、40代の男です。
同年代の男性を募集しています。
全員家族持ちのため、スタジオは月に一度「第四金曜日の夜」に入ります。
練習後は毎回行きつけの安い居酒屋で軽く一杯。ライブは半年に一度、〇〇でノルマ無しで演奏させてもらっています。
演奏技術は問いません。ストレス解消でロックをやりたい親父メンバー募集!
【社長ジャズバンド】
メンバーは40代〜60代の男女。会社経営者、医師のメンバーによるバンドです。フュージョン系の音楽をセッションします。
毎週末、メンバーの自宅スタジオでリハします。
年に数回ライブハウスを貸し切って演奏会を開きます。またボランティアの慰問演奏もしています。
よろしければ、私たちと一緒に活動しませんか?
9)まとめ
バンドは、かなりデリケートな活動です。なぜならば「アイデンティティ」を追求する活動だからです。
少なくとも価値観が似ているメンバー。
バンドに求める目的が同じメンバー。
そんな人が集まらないと成立しません。
特によく言われる「音楽性」よりも、「方向性」「目的」の方が重要だと思います。
以上、バンドメンバーを募集される際、バンド加入される際の参考になれば幸いです。